忘却に委ねて

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地方の「二郎系」麺屋について

私は東京出身で西日本の地方都市(政令市レベル)に移住した身なので首都圏の二郎と地方の二郎インスパのギャップに戸惑うことが多々ある。私は「ジロリアン」というほど二郎に詳しいわけではないが、本店は40店舗くらい行っているし各種インスパなんかも時折足を運ぶので一応首都圏の二郎「文化」は知っているつもりである。今回は東京出身者が見た地方の二郎インスパの麺屋事情について少し書いてみたい。

 

店舗数/味について

店舗数は少ない。片手で数えられるくらいだ。まあこれは致し方ないだろう。問題は味だ。はっきりいってほとんどの店はまずい。富士丸の元店主かがやってるところはそこそこ美味いがそれ以外リピートはありえない。金もらったら食うかなという感じである。東京にあったら2日で潰れるような店さえある。食い終えた直後怒りのあまり店名を名指してTwitterでブチギレてしまった。ああいう店が「二郎系」として地方で受容されてしまうのは残念だ。そもそも「二郎系」って意味不明な呼称なんだが、田舎の人間は野菜が山盛りになったラーメンを全部「二郎系」として一緒くたにしてしまうから仕方がない。

 

客について

これが首都圏と大きく違うところだ。二郎の本店だと私含め秋葉原から空間移動してきたのかと思うような野郎が多いが地方だと違う。ヤンキーみたいな若者、イケイケな感じの学生、女子なんかが多い。「二郎系」の敷居が下がっているのであればいいことだと思うがそのマナーには辟易する。あまりに多くて整理できないので店に入るところから考えてみよう。

 

まず、待機列で割り込む客がかなりいる。連れの分まで並んでおくという感じだ。これは二郎云々ではなくちょっと神経を疑ってしまう。中に待合室がある場合、詰めない客も多い。この前は妙に離れた待合席に座っている客がいたので「先並んでますか?」と声をかけたところ「いや違います」と返されたため、無視して詰めていた。すると案の定コールの段階になって客の注文と店側に不一致が生まれ、オペレーションが狂っていた。お前が詰めて座ってればそんなことにはならなかった。というか待合席の壁に貼られている番号を何だと思っているのか?

着席していざコールとなるとまたモヤモヤとする。端的に言えば「ニンニク入れますか」が形骸化している問題がある。例をあげると「ニンニク入れますか?」「ちょいマシで」「他は」「ヤサイマシで」というようなやりとりがあまりに多い。「ニンニク入れますか?」にはトッピングが全て内包されるのではないのか?例えば、「はい、ニンニクマシでお願いします それとヤサイマシとカラメでお願いします」と言いたい場合、それを略して「ニンニクマシヤサイマシカラメ」などと返答するのではないのか?

というか、インスパイアなのに「ニンニク入れますか」にこだわる必要性があまりにもなさすぎる。本店でも「ニンニク入れますか」と言わない店も多いし、たしか品川とか目黒はアイコンタクトだった気がする。「トッピングどうされますか?」これで良くないか?格好つけて真似する意味も必要もない。

 

最後に食事中/食後の問題がある。食事中、食後も連番者(オタク特有の表現)とベラベラ喋りながら食ったり、スマホをいじる客があまりに多い。腹を空かせて並んでいる客が大量にいるんだからササッと食って席を空けるのが二郎系以前のマナーではないか?ここは本当に理解に苦しむね...

 

以上つらつらと書いてきたがこれらは少し調べればわかる話だ。普通の細身の女性が麺量「普通(350g)で...」と言って店員に諭される光景なんか幾度となく見てきた。「二郎」に対しては良くも悪くも(?)ルールが厳しいというイメージが定着していると思うが、地方の二郎系だと少しも事前リサーチしていない客が多いように感じる。私の想像する「イメージ」があればこうはならないと思うが、推測するに二郎のことは全く知らず、「美味いラーメン屋がある」というような口コミやSNS上にあがったそのビジュアルを見てやってくる客が多いのではないだろうか。

 

あとこれは個人的な話だが、ニワカの大学生が大量発生するのも複雑な気持ちになる。県内の「二郎系」を数店舗回った程度で自分を「ジロリアン」などと呼称する輩すらおり、ブチギレそうになってしまう。関東以外に在住してる人間が「ジロリアン」になれるわけがない。本当に切腹とかしてほしい

 

とはいえ私のように複雑な心境を抱える面倒な客はほとんどいないだろうし、店側もとやかく言うことはない。「そういうもの」としてここでは受容されているというだけのことであり、首都圏の二郎「文化」とは相異なるのである。